2023年9月14日木曜日

家系図を作るために戸籍を取寄せてみた

家系図を作ってみようと思って

請求できる最も古い戸籍は明治19年(1886年)のものである。
戸籍の保管期間が150年、つまりぼちぼち戸籍が破棄される恐れがあるらしい。というわけで今のうちに家系図を作ってみようと思った。
できれば全ての系統を記録したいが業者に依頼すると10万超えそうなので自分でやることにした。
しかし戸籍のことを何も知らないので軽く調べた。

戸籍には大きく3種類、戸籍・除籍・改製原戸籍(改正原戸籍・かいせいはらこせき)があって、それぞれに謄本(とうほん)と抄本(しょうほん)がある。抄本は謄本の中の個人分となるので謄本を請求すれば良い。
現在の戸籍には夫婦(筆頭者と妻)と未婚の子供が入っている。(分籍した場合は別)
結婚すると今までの戸籍から抜けて、その夫婦で新しい戸籍になる。
請求できる戸籍は直系のみなので、叔父や叔母等が結婚したらその先の戸籍は請求できない。
結婚・死亡・転籍などで戸籍から全員いなくなると除籍になる。
なので戸籍≒世帯という認識で良いだろう。
自分は残念なことに未婚なので親の戸籍に入っている。
古い戸籍は家・住所単位になっていて筆頭者の叔父叔母や甥姪、祖母なんかも載っている。

戸籍を請求とリストアップ

戸籍請求1往復目。
親が最近になって他県から転籍したので、自分の本籍の役所では親が筆頭者の戸籍だけ請求する。
市役所のホームページから郵送用の戸籍の請求用紙をダウンロードして印刷して記入する。
各役所で異なるので注意。さらに窓口用と郵送用でも異なるようだ。
記入例を見ても正直よくわからない箇所が多いので市役所に電話して確認する。
用途に「家系図作成のため」と書いておけばあちらで判断して必要なものを送ってくれるようだ。
請求に必要なものを揃えたら郵便局で郵便定額小為替を購入する。
定額小為替は現金の代わりに入れて手数料の支払いに使うものである。
値段にかかわらず1枚につき手数料が100円かかるので、なるべく無駄に買わないようにしたい。
また、定額小為替は「郵便」ではなく「ゆうちょ」の管轄なので営業時間に注意。
小為替を入れたら返信用封筒に切手を貼り郵送する。
返信用封筒には94円切手を貼った。足りなければ後で払えば良い。

そして数日後に届いたのは戸籍謄本1通であった。
転籍前に加えて両親の婚姻前の情報が書かれている。
この戸籍に書かれている情報をもとに戸籍をさかのぼって請求していく。

さて、2往復目である。
父方は一応転籍前の戸籍も手に入れておこうと思い前回と同様に父親の戸籍を転籍前の役所に請求する。
母方は手に入れた戸籍に書かれている祖父の本籍地へ戸籍を請求する。祖父の場合、自分との関係を示すために手に入れた戸籍のコピーを同封する。
どちらも電話で確認し、用途に「家系図作成のため さかのぼれるだけすべて」と記入する。意外と請求書の様式が微妙に異なる。今回は続柄の目線が逆だった。
前回と違って、何世帯分、何が何通請求できるか不明なため、定額小為替を多めに1万円分ずつ同封する。
定額小為替ではなく定額為替のほうが発行手数料が安く済むらしいが各役所のページには小為替としか書いてなかったので一応小為替で送る。小為替の分封筒が重くなった。
返信用封筒も値段が変わる可能性があったので切っては貼らずに同封した。
また、1万円入っているので念のため簡易書留で送ることにした。

1週間ほど経って母方の戸籍が届いた。全12通。返信用封筒にパンパンになって入ってきた。もちろん切手の不足分が出たので支払う。
なんと自分との関係をすごい丁寧に付箋で貼ってくれてあった。感謝しかない。
祖父の祖父の祖父まで記録されている。
続けて父方の戸籍も届いたが祖父も転籍していたので4通のみ。再び父父と父母の各役所に請求する。

父方を請求している間に届いた戸籍を元に「家系図ツールズ」を使用して記録していく。
親族をどの範囲までリストアップするかで悩んだが、直系以外の人は兄弟とその婚約者まで書いて子供(直系の従兄弟)は省略することにした。数が多すぎる。
記録する情報は氏名、生年月日、死亡日、長男二男など、旧姓、婚姻関係、養子縁組関係、義兄弟は両親の名前等が分かる範囲で備考に書いた。

横書きの戸籍になったのはわりと最近でそれまでは縦書きだったようだ。縦書きの戸籍でも文字が電子化されているものと手書きのものがあった。さらに縦書きの戸籍でも古くなると様式が変わって母親の情報が書いていなかった。
また、当人の婚姻によって戸籍から抜けたあとの残った人や、先に婚姻により戸籍から抜けた人たちのその後の情報(子供や死亡日など)が不明。
名前で検索すると当地の広報の訃報に死亡日が載っていたりするが、流石に大正以前になると情報が無い。
あと名前の読み方が全然わからん。旧字体やクセの強い崩し字もかなりある。
意外と戸籍を書き写すときに間違えてるようだ。「シ」が「レ」になっていたり「松」が「助」になっていてどっちが正しいかわからない。
ひどいときは「須藤」が「佐藤」になっていたり母と祖母の名前が入れ替わってたりする。
古い戸籍になってくると以前の情報が無いのか子供の情報がいきなり四女から始まってたりする。明治19年時点での家族構成で書かれているためそれ以前の情報は無いようだ。

思った以上に戸籍の請求回数が多かった

父方の戸籍が届いたが転籍していたため1通のみだった。父の父母の戸籍をそれぞれ請求する。
また、母方の戸籍が母の父の系統だけだったので母の母の戸籍も請求する。

3往復目。母の母方3通、父の父方8通、父の母方8通が届いた。
8通が分厚くて返信用封筒(A4の3つ折りサイズ)に入らないらしく、A4がそのまま入るサイズの封筒を送った。
母の母方をさらに請求しつつ記録する。
父の母方が今までと異なり、請求する戸籍の夫婦の名前を記入してくださいと言われたので請求先によって書き方が変わるようだ。
ここで変体仮名に遭遇。「川」っぽい字は「い」であることが判明。

4往復目。母の母方を2箇所に請求。1箇所は最初に12通送ってもらったところだった。
「亡ト」のように書かれた日付が「弐」の崩れた字体であることに気づくのに時間がかかった。

ここで両親と祖母に、戸籍では追えない親世代以降について教えてもらった。
祖父母の代からは兄弟の子供も記録することにした。
祖父母の兄弟が多いので親の従兄弟も多い。
年賀状等から情報を得るも、意外とはっきりしない部分があった。

5往復目。父方を5箇所に請求。同封する戸籍のコピーの数がすごくて把握するのが大変だった。1つコピーが足りないと連絡があって再送した。
戸籍があったのが2箇所、他は古すぎて無いと言われた。そろそろ限界か。
明治19年以前に嫁ぎ先に戸籍を移している場合、親の戸籍には既に名前がないので親子関係が証明できず戸籍があっても貰えないらしい。

6往復目。母方を3箇所にダメ元で請求。1箇所は以前請求したところである。ご先祖、近場の町村で移動がよくあるようだ。幸運なことに1箇所から2通届いた。

7往復目。最後に父方を2箇所に請求。1箇所は以前請求した戸籍にかなり早い段階で途切れている部分があって、もう一度確認の意味で請求したがやはり無かったらしい。
もう1箇所は無事2通ゲット。
また、漢字が潰れて読めない名前が今までにいくつかあったので各役所に電話で確認した。半分は嫁ぎ先の名前が分からず、さらに戸籍の管轄が違っていて不明なままだった。

まとめ

期間にして3ヶ月ほどかかった。
合わせて17箇所に20回請求して届いた戸籍総数57通。
記録した親族合計450人……!
全体図はこんな感じである。(個人情報保護のため縮小)


2世代に渡ってベビーブームを感じる(笑)
7世代前(祖父の祖父の祖父の父の代)までさかのぼることが出来た。
生年月日が判明してる人では1805年生まれがいた。
いとこ同士で結婚してるのがややこしかったのと、養子に出た兄の養女に婿養子になったというのを注意深く読んでないと見落としていたかもしれない(図にするのが難しくて省略した)。
また、7世代前がちょうど親の名前をそのまま継いでいて同姓同名となっていたせいか、どっちの子なのかが曖昧になっている箇所があった(生年月日的には従姉妹なのに叔母って書いてある)。

今回は家系図作成に家系図ツールズを使用した。
くずし字の検索にはこちらのサイトを利用。
また、変体仮名を調べるのにはこちらのサイトを利用した。

1回の請求につき封筒の裏・請求用紙・返信用封筒と、自分の住所を3回書くのが地味に大変だった。シールとか作れる人は作ったほうが楽かもしれない。
請求した戸籍はじゃばら式のファイルに4系統+その他の書類の5つに分けてまとめた。
届いた戸籍を重ねるとピアノ教本2~3冊分くらいか。


戸籍請求にかかった金額
戸籍請求手数料    37500円
コピー・印刷代    500円弱
封筒x40枚        200円くらい
小為替手数料        11800円
通信費            7000円くらい
合計57000円なので業者に全家系を依頼した場合の相場の1/4くらいだろうか。この値段だと1~2家系が多そう。

こういう作業に面白みを感じる人、ある程度の情報に動揺しない人(死亡・離婚関係など)は挑戦してみてもよいのでは。
自分でやるデメリットは時間と手間だろうか。
まとめた家系図をどう形にするか(本や巻物など)も業者のほうが圧倒的に綺麗に仕上げてくれるだろう。実際これで一番悩んでいる。
また、戸籍で分かる以前の家系図となると業者、特にその土地のお墓やお寺を調査できる業者に依頼するのがいいだろう。
あと自分でできることはネットで公開されている江戸時代の系図にご先祖が載っているか調べる程度なので、家系図作成については一旦ここで終了とさせていただく。

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