2021年7月23日金曜日

Youtubeでアニソンを弾いたらSongtrustから著作権侵害の申し立てが来た件 その1

Youtube Liveで「お願いマッスル」をピアノで演奏した

2021年4月24日の配信のこと。
ドの人はアニソンを耳コピしながらピアノで演奏する、という配信で
「お願いマッスル」を演奏した。
その時の様子がこちら↓

そして、配信終了後に著作権侵害の申し立てが来た。

Youtubeでの楽曲の利用に関するおさらい

アニソン等を弾いた場合、日本の楽曲の殆どはJASRACもしくはNexToneが管理している。
そしてどちらもYoutubeと包括契約をしている。
このどちらかが管理している楽曲を利用する際の基本的なことはざっくり次の通り。

個人が原曲を使わない演奏動画・・・利用可能
原曲から離れたアレンジをする場合・・・グレー
原曲の音源を使用する場合・・・許諾が必要だがしかし
・YoutubeではContents IDというシステムで自動的に判定
・niconico動画では個別に許諾を出している(許諾楽曲検索

で、これらは楽曲を利用していいかどうかの話なので、
「著作権侵害の申し立て」が来るかどうかとは別問題である。

間違った申し立てと問題ない申し立てがある

「著作権侵害の申し立て」は実は問題ない場合が多い。
まず、クラシック等の著作権の切れたパブリックドメインの楽曲の場合は異議申し立てすべきである。
自分のところにもバッハの曲に著作権侵害の申し立てが何回か来た。
これマジでやめてほしい。
自分のところに来たのは”Anthem Entertainment (Publishing)”から。
「バッハの曲です。自分で演奏しています。」ですぐ撤回される。

ではアニソン等の場合。
管理している団体から「著作権侵害の申し立て」が来ることになる。
(NexToneや海外の団体など。JASRACからは来たことない)
ミスチルの曲を演奏したときにNexToneから丁寧なメールを頂いたので引用したいと思う。
まず、YouTubeから著作権侵害のような通知がされているかと存じますが、 システム上そのような表現になっているだけであり、実際のところは 著作権侵害ではございませんのでご安心ください。 
また、CD音源未使用のオリジナルであるとのご指摘についてですが、 弊社はCD音源やカラオケ音源(著作隣接権)ではなく、 作詞者・作曲者に付与される『著作権』を管理しております。 
今回、ocomox piano 【ドの人 ピアノチャンネル】様が投稿された上記動画には 弊社が管理している作品「Birthday」が使用されていますので、 Googleと弊社が締結している利用許諾契約に基づいて処理が行われます。 そのため、投稿された動画に関して弊社からの申し立てが行われた次第です。 
ただし、冒頭にてご説明しました通り著作権侵害ではないため、 弊社としましては動画の削除や非公開設定をお願いしているわけではなく、 また、何かをしていただく必要も一切ございません。 
今回の申し立てによりGoogleが受け取る広告収入の中から一定の割合が 弊社管理作品使用料として弊社に支払われます。私共はその金額を 作家様へお支払いいたしますので、何卒ご理解いただきたくお願い申し上げます。
わかりやすい。Youtubeに貼り付けておいてほしいくらいわかりやすい。
このメールから分かるのは、

・この申し立てによりGoogleが受け取る広告収入の中から一定の割合がNexTone→作家へ支払われる。
・GoogleとNexToneが締結している利用許諾契約に基づいて処理が行われる。

ということ。そのための申し立て。
なので「原曲使ってない演奏動画だから異議申し立てよう」というのは違うようだ。
まずYoutubeは「著作権侵害の申し立て」という訴えられてる感がバリバリの文を変えるべき。

見知らぬ著作権者は何者か

JASRACやNexToneの権利が及ぶのは日本国内だけである。
どういうことかというと、日本の楽曲を日本で使用した場合はもちろんだが、
海外の楽曲を日本で使用した場合を考えてもらいたい。
すると、海外の権利団体から何かしらが来るわけではなく、管理しているのはJASRACである。
海外の権利団体がJASRACに委託しているので、海外の楽曲も日本でスムーズに使用できる。

逆に、日本の楽曲を海外で使用する場合はどうだろうか。
今度はJASRACが海外の管理団体に委託しているのである。
そしてYoutubeの場合、この「使用」が「再生」になる。
つまり再生される国ごとにJASRACから委託された団体が管理しているわけである。
著作権侵害の申し立てに現れる謎の著作権者の正体はJASRACから委託された各国の管理団体である。

JASRACが委託している海外の団体はこちらの下の方のPDFにリストアップされているので気になる人は確認しよう。
このリストの最下段に記載のある
muserk, ASCAP, BMI, SESAC
がアメリカの著作権団体になる。(演奏権と録音権で異なるらしい)
make debut!を弾いたときの画像はこんな感じ。


(TV Size)までちゃんと書かれるようだ。

著作権詐欺団体

なお、このリストに載っていない団体からも申し立てが来るが、
JASRACに問い合わせても「JASRACに当事者性がなく、発信者からの発信内容や対応等についてはJASRACでは把握することができない」とのことだった。
残酷な天使のテーゼを弾いたときの画像がこちら。


このLatinAutorとSonyATVはよく出てくる上にSonyATVの方は異議を申し立てても撤回しないともっぱらの噂。
音楽出版会社らしいけどどうなの。著作隣接権で来てるのかな。
ドの人はめんどくさがりなので、

・曲も団体も多くてそれぞれ調べきれない
・曲名が合っている
・異議申し立てはリスクを伴う

という点から放置している。
Songtrustの件が終わったら異議申し立ててみるか・・・
異議を申し立てるなら、「この曲のタイトルはなんとかで日本のJASRACが管理していて米国ではどこそこが管理しています。自分で演奏していて原曲は使用していません。」みたいなのを英語で書いたほうが安心。

著作権についてざっとまとめたら結構長くなったので一旦ここまで。
次回に続く。

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